ロン毛取立人

戦慄怪奇ファイルコワすぎ!と逆転裁判とワンピースで身体の半分が構成されている腐女子です。

これは『私』の物語だった。(DETROIT BECOME HUMAN  感想)

ちょっとかっこつけたブログタイトル通りの内容である。(この文言で始め過ぎて予測変換で「ぶ」って打つとすぐ出てくるようになってきた)

 

注意! ここから先普通にネタバレを含むので未プレイの方は今すぐブラウザバックしてプレイして下さい

 

 

 

 

 オタクデトロイトプレイした!? 

 

私は昨日一周目をクリアした。

 

きっかけはTwitterで発売から三周年という節目にトレンド入りしていた事。

 

そこから飛んだ記事のリンクで、主人公の一人であるコナーのクソデカボイスの「開けろ! デトロイト市警だ!!」の動画を見た事だった。

 

なんか……急にめっちゃコナーの声がでかくなって……特に明確な理由はないんだけど無性に面白く、何回も見てしまう中毒性があるので、時間があれば見てください。

 

 


www.youtube.com

(後ろのハンクの顔がまたじわじわくる)

 

デトロイトは2038年の近未来、人間そっくりなアンドロイドが生活の一部になった世界で、三人のアンドロイドを軸とした物語を描くゲームだ。

 

主人公はアンドロイドとして初めて事件の捜査を専門として扱うRK800型のプロトタイプで警部補のハンクの(形式上の)相棒としてアンドロイド絡みの事件を追う事になる捜査官のコナー(上記の動画のクソデカボイス君)、

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元は老人の介護を行っていたアンドロイドであったが、とある事件が切っ掛けで自我を得、アンドロイドの解放の為にその身を捧げる事になるマーカス

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最後に、自身を所有していた家の娘が父親から虐待されていたのを見たのをきっかけに、その娘(アリス)を守るために自我を目覚めさせ、カナダへの逃亡を図る家事手伝いアンドロイドのカーラの三人である。

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主人公三人のうち二人が自我を持つ(ゲーム内では感情を持った彼らは変異体と呼ばれている)事からも分かる通り、このゲームで描き、問うている事は「自我を持ったアンドロイドは人か? それともモノか?」という、答えるのが難しい問題である。

 

この世界のアンドロイドは頭から足先まで人間そっくりで、それでいて人間よりも高性能だ。初期投資さえ行えば(アンドロイド一体が八十万くらい、それこそ車を買う感覚で買える)後は彼らに賃金を払う必要もなく、機械なのでどれだけ乱雑に扱い、そして過酷な状況に置いたとしても文句の一つ言わない(言えない)。やろうと思えば夜の営みすら共にしてくれる。

 

そんなアンドロイドが人間にもたらしたものは、大量の失業者と、パワハラが横行した社会だった。

 

アンドロイド程、奴隷に適した存在も居ない。何度も書いたが彼ら彼女らは人間そっくりなのに、人間ではない。人間には逆らわないようにプログラミングされているし、命令には忠実に従う。人間は愚かな生き物だ。それは歴史が証明している。そんな生物に、都合の『良すぎる』存在を与えてしまった、これ以上どこにも行きようがない世界、それがデトロイトというゲームの……或いは、本当に未来で訪れるかもしれない我々の世界だ。

 

アンドロイドに人権は無い。

当然だ。人ではないし、表面上見えている仕草や表情の一つとっても、プログラムで書かれたものに過ぎないのだから。

 

……そんな中で、プログラムではない"感情"を持つアンドロイドが登場したら?

 

「死にたくない」「ただ、この子供を脅威から守りたい」「平和に、静かに暮らしたい」

 

そんな衝動に駆られ、行動を起こすアンドロイドが生まれたら? 彼らは、人間とどう違うのか? デトロイトというゲームは、そんな問いを、ゲームプレイ中何度も何度も、プレイヤーに問いかけてくる。

 

それだけでも何日も考えてしまいそうな問いではあるが、デトロイトはそれだけではない。

 

デトロイトは、選択のゲームだ。

 

例えばこのシーン。

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これはアンドロイド嫌いで性格が結構悪くて周囲から結構嫌われてしまっているギャビン刑事にコナーが絡まれて「コーヒー淹れて来いよ」と言われているシーンの直後だが、コナー(プレイヤー)はその言葉を受けてどう行動するかを選ぶことが出来る。アンドロイドらしく従ってコーヒーを渡しても良いし、「誰が手前の命令なんか聞くかバーカ」というどっからどうみても変異体丸出しのプレイをしても良い。

 

この選択は、ゲームの最後の最後まで続く。唯一、最初は変異体ではないコナーも、ストーリーを進めていく中で変異体になるか、それとも機械のままでいるかを選ぶことが出来る。

 

この選択が、このゲームを非常に奥深くさせている。本当に細かい選択で、ストーリーがまるで別物になるからだ。

 

カーラが逃亡生活を送る中でアリスを見捨てる事だって出来るし、マーカスが世界を滅ぼしてアンドロイドの自由を得る事だって選択肢次第では出来てしまう。人を殺さず憎まずに、あくまでも平和な選択を取り続ける事だって出来る。

 

選択肢次第で、キャラは簡単に死ぬ。反対に、生かす事だって出来る。

 

ゲームを起動すると、初めて見る事になる画面に、金髪の女性型アンドロイドが出てくる。彼女は色々なコンフィグ設定を行ってくれた後に、プレイヤーにこう伝える。

 

「これは私達(アンドロイド)の物語、そして貴方達の未来」

 

 

プレイヤーはアンドロイドである三人を操作する事になる。主人公たちは正真正銘アンドロイドであるが、感情の最たるものである選択を行っているのは私――人間だ。

私の気分次第でコナーはギャビンにコーヒーを淹れるし、無視する事だってある。

 

マーカスは表面上平和主義でプレイしたが、私の咄嗟の判断が物凄くバイオレンス思考だった為(私は仕事終わりにバイオショックをやって「労働終わりの倫理観の無い行為は最高~~」と酒を煽るタイプの人間だ)、ぽいぽい人を殺して世論を最悪にした。行動に大きな矛盾がある。嘘と矛盾は実に人間らしい。

 

プレイ中には、あえて嘘をつく選択肢もある。多くは相手の事を考えての嘘だが、時には騙す為に嘘をつく事もある。嘘が言えるのは人間だけだ。例えそれがプログラミングされたものであったとしても、私は無意識に彼らを人間として扱っていた。

 

彼らを通して、私は私自身を見ていた。

 

私は内密行動がばれそうになったりして焦ると人を殺すし、相手の為にと思って嘘を吐いたら逆に好感度が下がるし、大事な選択を他人に委ねて、最悪の結果を招いたりした。全てプレイ前には想定していなかった私の思考回路だった。

 

プレイ中はキャラクターに(アンドロイドであると分かっていながらも)思い切り感情移入したし、アリスとカーラが家族になるところでは泣きそうになった。同時に、本当に私の生きるこの現実で人間そっくりのアンドロイドが普及したら私はそれと、それを受容した世間を受け入れる事が出来るのか、という事も考えた。感情移入していた癖に何をいうかと思われるかもしれないが、答えはノーだった。

 

私はたぶん職を奪われる側だし、人間的に醜い部分があると自覚しているので、恐らくアンドロイドの事を好きになれない。

 

きっと、近い将来現れるかもしれない彼らを愛せるのは、私よりももっと純粋な心をもった人間か、彼らが居る事が当たり前になった、未来の子供たちだけだろう。

私は彼らに不気味さを感じるし、出来る事ならば登場してほしくないと思う。

 

三人を操作するプレイヤーという立場でありながら、私は、三人が対立する事になる「人間」そのものの思考をしているのだ。

 

だからこそ、私は思う。これは『私』の物語だった。 (熱いタイトル回収)

 

アンドロイド達を通して、私は私の本質を垣間見た。私自身にある善性と、多大なる愚かさを思い知った。

デトロイトはプレイヤー一人一人に、選択の重さを突きつけてくる。時間制限もあるので、そこまで悠長に選んでいられないし、心が直感のままに選択している事も多々あった。

人間そっくりなアンドロイド故に、その中に確かに人間そのものの感情を見出し、そしてその中で己を知った。

 

……長々とちょっと痛い自分語りを繰り返したが、つまりはデトロイトはすごいゲームって事である。

 

PS4DL版のセールは終わってしまったが、このゲームをやらないのは、人生にとって多大なる損失であると思う。(少なくとも、このゲームが世に出てくれたおかげで、このゲーム内のような、最悪の事態はある程度免れる事になるかもしれない……と希望的観測をしている)

 

やろう!!!!! やって!!!

 

 

 

 

 

あと二次創作でよく見る、全部終わった後ハンクとコナーが同居してるの、あれぜ〜〜〜んぶオタクの妄想だったんかい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

わたしもさせます。

 

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酔っ払って泥酔したハンクにビンタかましてシャワーで水ぶっかけるやつ、何度だってしてくれ、一生一緒にいてくれや……。

 

それでは、2周目やってきます。

私、もう一人だけの身体じゃない……(家に完全生産限定版Blu-raySK∞ vol.1を匿っているので)(アニメ SK∞ エスケーエイト 感想)

クソ長いブログタイトル通りの内容である。

 

このブログを読んでいるオタクたち、2021年冬アニメ『SK∞ エスケーエイト』、みてますか!?!?

 

恐らくはこの酔狂なタイトルのこのブログ記事を開いている段階で、画面の前にいる貴方はエスケーエイトをすでに見て狂っている人間か、TwitterのTLでその名前を聞いたことがあるだろう。

もし貴方が見てなかったらこんなブログを読んでいる場合じゃない。すぐにブラウザを閉じてAmazonプライムビデオ(でも媒体はなんでもいいので)でエスケーエイトをみろ!!!!!!!!今ならまだ間に合うから!!!!!

 

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私はこのアニメを見てしまったせいで人生で初めてアニメの初回限定版Blu-rayを購入してしまいました……(写真はシャイなブルーレイ君の画像です)

 

……とはいっても人に(それも見知らぬ他人に)「みろ」と言われて誰もが視聴するなら苦労しない。もしそうなら今ごろ「ドリフェス!」は全人類が見た覇権アニメになっていたはずなので……

 

というわけで今回のブログは「プロフェッショナル 狂人(くるんちゅ)の流儀」をテーマにして、私なりに感じたエスケーエイトの狂いポイントを、まだ未試聴のshyオタクに伝えていこうと思う。

アニメを滅多にリアタイしない私のような人間が狂いに狂っているので、その一片を少しでも伝える事ができたら、 これ以上の事は無い。願わくば狂って欲しい……共に堕ちよう……

 

さあ、狂人(くるんちゅ)になる準備はいいか? 紘子(監督)の掌で踊らされる覚悟は出来ているか? 俺は出来てる。

 

なお、ゴリゴリの腐女子が書く内容なので、そういうのが地雷の方は今すぐブラウザバックして私に石を投げないで下さい。紘子だけが私に石を投げつける権利がある。

 

エスケーエイトってどんなアニメ?

 「SK∞ エスケーエイト」とは、内海紘子×大河内一楼×ボンズ=∞ 最強タッグで送る青春スケートボードバトル!! である。(公式サイトより引用)


www.youtube.com

ようは深夜枠に放映されるコロコロコミックホビアニである。私はヒプマイの時も同じ事言ったぞ!!スケートボードについての知識が全くなくても問題ない。かくいう私もまったく知らなかったがこうして狂っています。ね、安心でしょう?(エスケーエイトのボブ・ロス先生)

アニメオリジナル作品であり、原作は存在しない。(そのせいで幾多のオタクが屍と化した)

 

ものすごく簡単に説明すると、顔の良い男たちがスケボーが滅茶苦茶流行っている治安の悪い沖縄でスケボーバトルする話である。

 このブログで紹介したコンテンツは現状アイカツを除いて大体治安が悪いので、エスケーエイトもそのうちの一つと言える。割とマジで治安が悪い。死人が出てもおかしくない。

 

 しかし、今書いた説明はこのアニメの表面をなぞっただけのものに過ぎない。

このアニメの本質は「同性間クソデカ感情と青春でコーティングした爽やかな地獄と詫びBL」である。

なにを言っているのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった……

このあたりは後述する。

因みに、私はこのアニメに最も似ている作品は漫画『ダブル』だと思った。この作品の名前が出ただけで察する人は察して下さい。どちらも良い作品ですから……。

ダブル(1) (ヒーローズコミックス)

 

と、話が少し逸れたところで、このアニメの触りの物語を記しておく。

 

物語の主人公・暦(れき)は治安が悪いこの話の沖縄の中でもさらに治安の悪い会場での深夜のスケボーレースにハマっている高校生。

だが、彼の周りには一人も一緒に滑ってくれる友人がおらず、暦は一人、どこか空回っていた。

そんなある日の事。父親が亡くなった事をきっかけにカナダから転校してきたイケメン、ランガが暦の目の前に現れた事により、暦の人生はどんどん変わっていく――

 

というのが物語のほんとのほんとの触りだ。物語は暦とランガを中心にして回っていく。まじで見てない人はこんなブログ読んでる場合じゃないからとりあえず一話だけでもいいので見てくださいお願いします。

 

INTRODUCTION | TVアニメ「SK∞ エスケーエイト」公式サイト

公式の紹介も置いておきます。

 

 

狂人製造工場エスケーエイトの魅力

 

先程も書いたが、このアニメの本質は「同性間クソデカ感情と青春でコーティングした爽やかな地獄と詫びBL」である。この文字列だけで最悪である。

この項ではそれらを一つずつ説明していこうと思う。

 

1.同性間クソデカ感情

この物語は主人公である暦とランガの出会いから、二人が唯一無二の相棒となるまでを、それはそれは丁寧に描いている。

 

 

お互いに心に孤独を抱えていたもの同士が出会った時の化学反応、賢明なオタクの皆さんなら皆まで言わずとも理解して頂けると思う。

暦は共に滑る仲間が出来て嬉しい。そしてランガの抱く感情は暦の比ではなく、父親の死によってずっと抱えていた虚無感を、他でもない暦(と、彼と一緒に滑る事)によって埋められている。これ商業BLの話ですか!?!? いいえエスケーエイトの話です。

 

顔を見て貰えれば一発ご理解頂けるように、ランガはぱっと見ホビアニのライバルキャラによくあるクールタイプ(皆ことごとくケツが弱い)のように見えるが、暦を始めとする仲間たちの前ではへにゃへにゃの笑顔を見せるし文字も難読不可能なほど汚い。その魅力を最も引き出しているのは他でもない、暦なのだ。こんなん好きにならんわけなくない?

 

余談ではあるが、私はアイカツを見始めてからというもの、キャラクターが他人に対してときめいた瞬間に脳内で「新・チョコレート事件」のサビ前の「これは恋?」というフレーズが流れ出す呪いにかかっているのだが、


www.youtube.com

私はこのアニメを見ている最中その呪いがざっと十回は発動したと思う。それぐらい、ランガは暦に恋してる……腐女子の妄言)

暦はホビアニの主人公らしく、快活かつ熱血寄りで、コミュニケーション能力が高く、世話焼きな性格をしている。つまり、他人を救ってしまう事の出来る人間なのだ。

(実際、暦は作中で二人ほど救っている。コワ……新興宗教

 

救って救われて、一緒に笑って憧れては恋をして……エスケーエイトには同性の友人に向けるには重すぎる感情を、こういうのが好きなんだろう? と言わんばかりにパンパンに詰め込んで我々に突きつける。

はい、好きです……。

 

2.青春でコーティングした爽やかな地獄

急に不穏になるが事実なので仕方がない。

 

暦はこの物語の主人公ではあるが、決して天才ではない。スケボーが楽しくて仕方がない、という気持ちは誰よりも持っているが、それに技術や精神が伴っていない。楽しく滑れたらそれでよかったし、物語開始時点ではそれ以上を望んでいなかったように見える。

 

作中には「シャドウ」と呼ばれるKISSみてーなメイクをした悪役風スケーター(注:彼はこの物語屈指の大人である)がいるのだが、第一話そうそう、暦はシャドウに敗北する。それも惜しくも敗北、とかそういうレベルではなく、普通に完敗している。しかも前にも一回シャドウに負けている。

だが、作中に出てくる他のキャラクター達の中では、シャドウはどちらかといえば"弱い"扱いを受けている。実際ランガはスケート初心者ながら、早々にシャドウに勝利している。暦は、そんなシャドウに負けるのだ。ここまで書けば分かってもらえると思う。暦はちょっとスケートが上手いだけの「凡人」として描写される。ここテストに出ます!!!最も狂人(くるんちゅ)ポイントが高いです!!

 

そして、今まで散々このアニメについて語ってきたが、この作品が最も強く「これが描きてえんだ!!」と、視聴者に提示してくるのは「天才、あるいは才能のある者と凡人の差」である。はいまたオタク死んだ。私も死んだ。アッ皆死んでる……(ちいかわ)

 

暦とは対照的に、ランガは圧倒的な「天才」として、物語内でどんどん目覚ましく成長していく。

 ランガはスケボー自体は初心者だが、元々何年間もスノーボードをしていた過去を持つ。恵まれた環境で、幼少期からずっと滑っていた事で、ランガにはスケボーの高い素質が備わっていた。

 

そんなスタンスの違いを持つ暦とランガなものだから、その差は物語が進むごとにはっきりと表れる。

治安の悪いスケボー会場の中でも、その実力と潜在能力からめきめきと頭角を現していくランガと、それに追いつけない暦、という構図をこの物語は嫌という程描く。オタクを殺す気満々である。ただただ最悪。ひょっとして人の心無いんですか? 

 

冒頭でこのアニメに最も似てる作品は『ダブル』だと言ったが、その理由はこの辺りにある。エスケーエイトはホビアニの皮を被った『ダブル』だ。

 

そして、1の項目でも書いた通り、暦は他人を救ってしまえる人間だ。そんな暦に救われたランガは、暦の事がめちゃくちゃに大好きである。

だが、そんなランガの感情とは裏腹に、二人の技術、周囲からの評価はどんどんと離れていく。

暦はランガに追いつけない事に悩み、ランガはそんな暦の気持ちを理解する事が出来ない。

スケボーが楽しい! と思う気持ちこそ、二人とも共通して持っていれども、その他の部分が、二人がただただ純粋にスケボーを楽しむ事を拒む。

 

この暦の心の軋轢が生んだすれ違いが、物語中盤で爆発する事になる。

 

こんな爽やか! 青春! キラキラ! みたいなのを前面に押し出しながら、やってる事は悪魔の所業である。紘子、メギドの才能あるよ。

3.詫びBL

なんのこっちゃと思われても仕方がない単語だが、実際にエスケーエイト界隈では通用する単語である。

2で書いた通り、暦とランガは物語半ばで心がすれ違ってしまうのだが、なんと、この物語は二人の関係が修復されるまでに丸々一か月かけた。

 

この物語の中心は暦とランガであるが、その二人が仲違いし、気まずい雰囲気が流れる……オタクたちも気まずくなる……そんな地獄のような一か月のエスケーエイトを支え続けたのが、ジョーCherry blossomである。

 

 主人公二人は高校生だが、この二人は互いに手に職を持った社会人であり、腐れ縁という名の滅茶苦茶(喧嘩する程)仲の良い(と周囲には思われている)幼馴染である。

ジョーはイタリアンレストランの料理人、チェリーはAI書道家である。(AI書道家って何????????)

 

この二人、各話毎回必ずと言って良い程イチャつく。

高校生の情操教育に悪いだろ!!こっちには中学生もいるんだぞ!! と抗議したくなるほど毎話必ずBLポイントがある。OPでも互いに互いを一瞥する。もうやだこいつら。

 

周囲の目を気にせずに喧嘩して掴みかかるのは朝飯前。二人の口喧嘩はそんじょそこらのケンカップルのものとは一味違う。毎度毎度もういいよ!! と見ているこっちが言いたくなる程、こちらが知りようもない過去の思い出を引っ張り出してはお互いをウェットに富んだ罵詈雑言で罵倒する。(例 林間学校に行った時だって~、修学旅行の時だって~)しかも互いを本名で呼び合う。ほんとさあ……

この辺りは実際に見て貰うのが最も良い。緑川光松本保典が早口で繰り広げる口喧嘩は癖になる。

ケンカップル好きにはたまらない。たぶんCRAMPもジョーとチェリー描いてた。

 

さて、問題は暦とランガがすれ違っている間の事であるが、ジョーとチェリーは変わらなかった。もうそんな時期はとっくに過ぎ去ったさと言わんばかりに毎回イチャついていた。過去回想もしたし、お姫様だっこもした(!?)

そして最も衝撃なのは、それまでは一切なかったCパートを無から生み出して、丸々二人のしっとりした会話(とジョーの秘めたるクソデカ感情。ここでも出た)に費やした事である。

 

その充実した二人の福利厚生に、恐れ慄いた民衆は二人が出る度にこう言った

「出た! 今週の詫びBLだ!」……と。

 

そして、暦とランガ、ジョーとチェリー以外にもう一組、このアニメを語るにあたって避けては通れない二人もいるのだが、それはぜひ貴方が見て確かめて欲しい。きっと叫ぶので……

 

 

 

 

 

 

――さて、ここまで書いてきたが、ここまで読んで下さった、まだエスケーエイトを未視聴の貴方の琴線に触れる項目は存在しただろうか。一人でも多くの人がこのアニメを見てくれればこれ以上の事は無い。

今から見る事の出来る貴方は幸せである。何故ならランガと暦の仲直りまでを一気に見る事が出来るからだ。

私はまじでエスケーエイトのせいで一か月精神的な面で体調が悪くなった。バディミッションBONDを途中で挟まなければ今頃死んでいたと思う。

 

次回のブログ記事で書くのは「SK∞2 エスケーエイト2」です。

よろしくお願いします。それじゃあ。(息をするようにまだない二期の話をするオタク)

 

 

2020年も終わるので、私と小説、それから触れた作品について振り返る

今年最後の、ブログタイトル通りの内容である。

今回はネタ要素は薄めで……行く!(死神騎士くん)

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私は趣味で二次創作の小説を書いている。俗に言う「字書き」だ。

 

字書きといえば、今年は「おけけパワー中島」を始めとする「同人女の感情」が大いにTwitterでバズッた年だった。

私のジャンルに「神」がいます (コミックエッセイ)

この漫画の登場人物に感情移入したり、「私はおけパだな」とかなんとか言った方も多いのではないだろうか。

はてなブログでも、noteでも、匿名ダイアリーでも、ちょっと調べれば「おけパ」と「綾城さん」の文字を、そこに乱された人間の感情を垣間見ることが出来た。

 

字書きの話題(主に愛憎入り混じった特大感情と呼ばれる類のもの)は定期的に匿名ダイアリーで見れたが、こんな風に漫画で「字書き」を取り上げられ、更新日には毎度トレンド入りをするのは初めてだった。真田先生、楽しく読ませて頂きました。

 

私の話に戻るが、10万字を始めて書いたよブログでも書いたように、今年は私自身が趣味で文字を書く人間として、大いに意識が変わった年だったように思う。

 

ronngetoritate.hatenablog.jp

 

 そこで、後々の自分の為に、2020年の創作関連について振り返り、文章の書き納めにしようと思う。

私得の記事でしかないが、ブログなんてそんなもんなので許してほしい。

だが、これが字書きとして何か悩んでたりする人の助けになれば幸いである。

 

 

 

2020年の私と、二次創作

今年の私の作品の主な傾向として、文字数が伸びた事は大きな特徴だ。

 

二年程前までは一万字を超えた作品があれば頑張った! というレベルだったが、最近ではデフォルトで三万字くらいになる事が増えた。

 

だが、これは別に文字数が多ければ多い程良いと言っているわけでは無く、単純に私がそう変わったというだけの話だ。(長い方が良い作品だと思い込んでしまっている字書きの人は星新一を読めばいい)

 

 中編を書けるようになって良かった事は、

 

  1. テーマについて(これはメインとなる二人の関係でも、何か起こる事件などの事でも、何でも良い)、深めて書ける。
  2. 短編との、達成感の違いを味わえる。
  3. プロットが書けるようになった。

 というこの三点に尽きる。

 

短編を書いていた当時、書きあがった作品を見て、「なんか最初に想像していた話よりも薄っぺらい話になってしまったなあ……」という事が多々あった私にとっては、よりテーマを深めて書けるようになった事はとても嬉しい事だった。

 

そこそこの文字数を書けるようになったきっかけはプロットを書くようになったからだろう。

私は先の展開をがっちり固めないと話が書けない人間だと、それなりに詳細なプロットを書くようになってから分かったので、プロットと自分の相性、本当に大事。

 

10万字を超える長編に関しては、上記でリンクを張ったブログ記事に長くまとめたので、そっちを見て欲しい。

 

後は、自分の書きたいものの方向性が、この一年ではっきりしたのは大きかった。

 

私が書く話の三本軸は「救済」「受容」、そして「光」だ。

 

今年は合計で60万字くらい書いただろうか……その中で、私はこの三つが書ければ満足なんだと知れた事が何よりも良かった。最終的にそこに至るんだったら、足の骨折っても死にかけても村が焼かれても人の死体を見て吐きそうになっても、私の中で全部オールオッケーだ。

 

……今年一年で割と最悪な腐女子としての性癖が目覚めたと自覚している。

 

 

2020年の私と、観た映画

 

 今年私が劇場で見た映画は「羅小黒戦記」と「劇場版 ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン」が素晴らしかったの一言に尽きる。

 

どちらもアニメーション作品で、前者は、一つの関係性の始まりを、後者は終わったかと思われた一つの関係性の再生を、とてもとても丁寧に描いていた。

どちらも背景美術が凄まじく、――特にヴァイオレットに関しては、京アニの全てを注ぎこまれているんじゃないか? と画面に釘付けになってしまう程、全てが美しかった。

二作品に共通して言える事は、感情の機敏を、映像描写で、これでもかと言うほど描かれている点だった。

この二作品の主人公はどちらも、映画の上映時間が終わった後も、傷つきながら生きていくだろう。だが、それがありありと想像できるからこそ、彼らは普通のフィクションの何倍も美しく、そして確かに生きていた。とても良い映像体験でした。

 

また、欅坂46のドキュメンタリーも見た。

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彼女達の事なんて少しも知らなかったけど、それでも刺さるようなものがあった。さんかく窓の外側は夜、みようと思います。

 

アマゾンプライムで見た映画に関してはファイトクラブ「セブン」という、往年の名作が良かった。私はこれからの人生をブラット・ピットに滅茶苦茶にされるんだろうなあと悟った。乾いた映像に、乾いた人間達。だが、そこにある感情は、生きづらさは、気持ち悪い程に濡れていて、その落差に胸が躍った。

 

映画は現実逃避する為に見れば見る程超面白いという事を、ブラピは教えてくれた。ありがとうブラピ。

 

因みに、2021年に公開予定で、私が一番楽しみにしている映画は、「映画大好きポンポさん」だ。

pixivに原作漫画が投稿された時から、ずっと読み込んでいる漫画で、創作の美しさ、楽しさ、熱狂。その全てが盛り込まれた上で、綺麗なストーリーで読者を魅了した。

コロナの影響で公開時期が延期を重ねているが、この作品を劇場で見れる時を、心の底から楽しみにしている。

 

pompo-the-cinephile.com

 

2020年の私と、読んだ小説作品

このブログ記事の本題だ。

2020年は近年の私の中で、最も小説を読んだ年だった。

きっかけは11月頃、私のジャンルに「神」がいます(最初に紹介した同人女の感情の書籍版のタイトル)の最終話が投稿された事だった。

 

【同人女⑩】天才字書きのアンチ 前編www.pixiv.net

(これは前編だ)

登場人物の一人であり、作中の中で「字書きの神」と称される綾城さんが、作者である真田さんの中では「多くの創作物に触れ、自分の中にインプットし、同時に、小説を書く事により、アウトプットを繰り返している人物」というのが明かされた。

私は二次創作の小説を書いて、ありがたい事に評価を貰っていたが、書けるなら、面白くて上手な小説を書けるほうがそりゃあ良い!  なら私も本を読んでみるか! 字書きの癖に全然本読まなかったし!! という、あまりにも浅い動機で読み始めた。

 

新世界だった。 

今までなんで小説を読む習慣が無かったんだ? と思う程に、小説は面白かった。まあ読んだのが古典的な名作や、近年の傑作ばかりな故にそう思ったのかもしれないが本当に、目玉が飛び出るんじゃないかと思う位面白かった。

 

というわけで、2020年の書き納めブログの最後は、読んだ本のプレゼンをして終わろうと思う。

pixivでの評価やTwitterでの評価を気にしすぎてしまう人程、商業小説を読むべきだと思った。なんかそれまでの自分が馬鹿らしくなるので……(自分の体験談)

私が読んだのは本当に有名な作品ばかりなので、読んだ事ない人でもとっつきやすいと思う。

 

 

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)
 

 

ライ麦畑でつかまえて(J.D.サリンジャー

 

名前は誰もが聞いたことがあるような有名な一作。私はこの小説を一番最初に読み始めた。(その時書いていたキャラの心情に重なるかなと思ったので……)

内容としては、現在は精神病院に入院している主人公ホールデンの、冬休み前に学校を抜け出して冬の街の歩いた際の一人語りだ。

冬の街は孤独で、主人公は空いた穴を埋めようと、知り合いに電話をかけては出会う事を繰り返す。

それでも主人公の穴を真に埋められる存在はいないまま、大人に対する反抗心や、虚無感を強めていく。

世界中の思春期の子供に寄り添って、「俺はホールデンだ」と思わせた。

思春期の繊細さや、全てに対する嫌悪感を丁寧に切り取った一作である。

 

人間失格

人間失格

 

人間失格太宰治

 

多分日本人なら殆ど名前を知ってる小説だろう。(ただ読んだことがあるかどうかは別)

この機会にと、名前しか知らなかったこの話を読んでみる事にした。

これを読む直前に、孤独死した人の部屋に人間失格が置いてあったニュースを見てしまったので、(ひょっとしたら自分も死にたくなったらどうしよう……)と大いに心配したが、結果として、私は主人公に一切の感情移入が出来なかった。

おそらくは、感情移入出来た歳を過ぎてしまったのだ。

物語のストーリーは端的に言えば「プロのヒモ成長物語」だ。(正しく成長したかどうかは判断にお任せするところだ)

プロのヒモの才能はピカイチな主人公が、至る所で女をたぶらかして、フラれたり寝取られたり心中を図ったりしながら生きていく話だ。

これを薦めた友人は「人間失格はギャグ」と言っていたが、あながち間違いではないと思う。

ただ、人間としての種類は根本的にダメ人間になるだろう主人公が、周囲からは「天使のような良い子だった」と言われるのは、人生ってままならねえなあと感じる。

 

痴人の愛

痴人の愛

 

痴人の愛谷崎潤一郎

 

人間失格と同じで、題名だけ知ってるけど、読んだ事ないシリーズとして読んだ。(こういうのは、ゲームの実績を解除していくかのような感じがして面白い)

内容を端的に説明すると、歳下のすごく綺麗な女(ナオミ)に、真面目な男が狂わされていく話だ。

最終的に男は奴隷のような扱いを受ける事になるのだが、それでもナオミが好きで好きで仕方がないから、ずっと狂っている。まじで本編中ずっと狂っている。破滅の道に片足を突っ込んで、両足も突っ込んで、最終的に頭まで沈み切ったところで物語は終わる。

基本的には、とんでもなくくだらなくて(山と言えるような展開はそんなにない)とびきり面白い小説だ。

深夜特急シリーズ(沢木耕太郎

 

同人女」シリーズでは、登場人物が綾城さんの小説を読んで、「こんなに面白い小説がこの世に存在するのか……!?」といったことを感じるが、まさに私にとってのそんな作品がこれだった。

もう冗談抜きにしてずっっっと面白い。

バスに乗って日本からイギリスまで行こうとする作者の体験記なのだが、どこの描写を切り取っても、エンタメとして最高峰だ。

まず金がないから超低価格で泊まれるラブホに泊まるという時点で面白い。

この物語で描かれるのは、現地の人の、生きた鼓動と、生への衝動と、未知への憧れ、とてつもなく眩しい一期一会だ。

漠然と、海外への憧れを抱く人間は、絶対に手に取って読んで欲しい。そして、未知の世界に、身体が震えるほど興奮して欲しい!全6巻。

 

砂の女 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)

 

砂の女安部公房

 

砂丘に虫取りに行ったら、砂の穴の中に閉じ込められて、必死に脱出しようともがく男の話だ。

 

例えば深夜特急が興奮で喉が渇くタイプの面白さだとしたら、読んでいると喉が枯れてくるのが砂の女だろう。

前者は最高速度で最初から最後まで面白いのだが、この話は最後まで鈍足のまま、じっと息を潜めるような面白さが続く。

 

いや、面白いのか……?多分面白いんだと思う。少なくとも、最後まで読めたから、面白いに分類される筈だ。

ただ、じわじわと侵食されるような恐ろしさと虚無が襲う。見て損はない一作。

 

 

博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)

 

博士の愛した数式小川洋子

 

現在の私のオールタイムベストはこの話だ。

有名なのでもう特に語る必要もないかもしれないが、私は小説を読んで初めて「泣く」経験をした。

記憶が80分しか持たない数学の老博士と、語り手である彼の新しい家政婦と、息子の物語。

特に激烈な何かが起こるわけではない。博士の記憶は80分以上続くようになるわけでもない。

この物語の中にあるのは、淡々とした日常だ。

大きな事件は起こらない、博士が記憶を失いたくないと嘆く事もない。ただ、淡々と、三人の日常が流れていく。

ただ、それが本当に美しく、可愛らしく、抱きしめて、心のうちに鍵をかけたまま閉まっておきたくなるような衝動に駆られる。

博士は子供が好きだった。毎日忘れても、毎日、語り手の息子の事を大事に思い、忘れないようにメモを取る。

博士との出会いをきっかけに、二人の世界は変わっていく。

愛おしさをぎゅっと一冊に押し込んだような、たまらなくなる小説。

 

 

私が大好きな小説家を殺すまで(斜線堂有紀)

 

今までのは往年の名作だったが、純粋に私の好きな若手作家の作品から一作。

一言で言えば地獄である。

自分を救ってくれた、大好きだった小説家が徐々にその才能を枯らしていった時、救われた人間はどうするのか?をたっぷり見せられる。

相手を救おうと思って、己が努力しても、それは相手を追い詰めるだけで、何も出来ない。喉の奥にどろっとした泥が詰め込まれたような、這うような苦しさがずっと読者を包む。

めちゃくちゃ文章が読みやすくて展開が地獄なのでおすすめ。

この人の作品は「キネマ探偵カレイドミステリー」「恋に至る病」「死体埋め部」と、どれも人間同士のやっばい感情で救い救われをやっているのでおすすめです。

推し、燃ゆ

推し、燃ゆ

 

推し、燃ゆ(宇佐見りん)

 

問題作(私の中で)

 

先程の「私の大好きな〜」を、もっと現実的に、それでいてもっと救いを無くすとこれになる。正直二度と読みたくない。

主人公の推し(人気男性アイドル)がファンを殴って炎上したところから始まる物語は、最後まで救いがない。

これならまだ「私の大好きな〜」の方が何倍もマシである。あっちはまだ落ちぶれてしまった方の人間と関わりがある。どうしようもできなかったけど、まだ、何かが出来た。

だが、この話は違う。全てが画面の向こうで終わるのだ。こちら側の人間は、勝手に救われて、勝手に人生を推し色に染めて、勝手に絶望する。主人公はただの一般人で、相手は人気アイドルだ。

 

作者は最年少で文藝賞を受賞した新進気鋭の女性作家。読んだ人間を圧倒するような文章力で、湿っぽい現実を書き切っている。

正直二度と読みたくないけど、学校のプールサイドの水の気持ち悪さ(という私が抱えていた、言葉にできない不快感)を描写してくれた時、私はこの作者を追いかけると決めた。

 

正直、全てのpixivなどの評価に悩む字書きに最も読んで欲しいのはこの本だ。

自分が悩んでいる間に、圧倒的な文章力で、瞳が乾くような、鈍い痛みの続く現実を描写されると、全てがどうでもよくなる。

体全身で鉛を引き摺るような感覚に陥りたい時にはおすすめ。

 

それに、アイドルでも二次元でも、YouTubeでも、何かを推した事のある人間には絶望を突きつけるような、そんな話だ。最悪だよ。

 

 

 

 

2020年の終わりに

 

なんだかんだ言ってこのブログも、二か月に一回という、亀みたいな更新頻度ではあるが続けられている。

今年はアイカツの記事や10万字を書いた時のメモ、命乞いのブログなどを、今までの私と比較すると信じられない程の反響をいただいた。

 

このブログはTwitterを少し探せば転がっているオタクブログ以外の何物でもないが、今後も己の「好き」を発信できる腕を磨き続けられるように、細々とではあるが、このブログは続けていきたいと思う。

 

じゃ、私は担当アイドルの和服衣装を取りに行ってくるんで、それじゃあ……。

羅小黒戦記を観てスクリーンに向かって命乞いした話(吹き替え版羅小黒戦記 感想)

 

全ての、ロン毛を取り立てる為の美しく、そして時に狂ったような心を持ったオタクに捧げる

――ロン毛取立人1世

 

ブログタイトル通りの内容です。

 

オタク、『羅小黒戦記』観ましたか!?!?!?私は昨日見ました!!!

久し振りのブログ更新はこのとんでもない映画の感想を熱量たっぷりに書くものになります。全てはこのブログを見た読者の方が映画を観て欲しい為。見てもらえたら私はもうそれで良いです。分かってもらえるので……。

 

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できればこの映画は前情報なしで見て欲しいのですが、その気持ち以上に一人でも多くの方に見て欲しいので、最低限の事だけを書こうと思います。

 


「羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)ぼくが選ぶ未来」日本語吹替版 本編特別映像【食事シーン】

 

この劇中の食事シーンだけでも最高なのでこれを見てピンときた方は早く……早く劇場へ……命が助かる人間がここにいるんです、本当なんです!! 病気は治り生命に希望を感じます! 本当の事なんです! オタクは嘘をつきません!!

 

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因みに私はこの映画を観終わった後こうなりました。(これは私の友人の呟き)こうなりたい人はこのブログを読む前に急いで劇場へと向かってください。損はしません。なりたくない人も行ってください。狂え。

 

覚悟はできましたか!? ではいきましょう!!

 

羅小黒戦記とは?

 

MTJJ木頭および北京寒木春華動画技術有限会社制作による中国の2Dアニメ映画。

――Wikipediaより

 

タイトルの読み方はロシャオヘイセンキです。

元々は中国で2011年からweb上で発表された5分程度のアニメーションであり、2020年現在、28話まで公開されています。

 

webアニメの一話はYouTubeで日本語字幕付きで見る事が出来ます!!


《羅小黑戰記》CAT.1 喵(重製版)

 

この動画を見るだけでも黒猫のシャオヘイ(妖精で、人間体にもなる事が出来ます)が最高な事はお分かりいただけると思います。分からない? やかましい、分かれ。

 

映画本編では、妖精と呼ばれる種族と、我々人間が、いかに共生していくか。

 

異なる価値観、種族と、どう折り合いをつけ、生きていくかが、本当に美しい背景と、びっっくりする程かわいらしいキャラクター達によって生き生きと描かれます。

 

今回私が狂った劇場版では黒猫のシャオヘイが主人公となり、二人の最高ロン毛男に囲まれて守られたり守ったり捕まったり助けられたり、それぞれに愛情を感じたりします。

 ね、最高でしょ?

 

この映画を観て欲しい人

 

 全人類

 

……これはオタクあるあるの誇張表現でも何でもなく、本当にそうです、嘘は言ってません。オタクとかそんなの関係なしに、この映画は全ての人間に見て欲しい……。

 

ロン毛に人生を狂わされた人間とロン毛の櫻井孝宏宮野真守に殺されたい人間は全員見ろ!!!!

 

櫻井孝宏宮野真守のとんでもなく優しいボイスで「おいで」って言われるのを聞いて心にシャオヘイを同居させたい、そんな妄想を抱く疲れたオタクは特に見てください!!!!

 

羅小黒戦記の効能

 

 これは信頼出来る筋から得た(私の中のロン毛取立人ソウルが言っていました)断言できる情報なのですが、この映画を観ると心が洗われ、昨日まで意地悪だった叔母(架空の人物)は性格が良くなって思いやりのある人物へと変わり、全ての命あるものに感謝し、人生が豊かになります。これは本当の事です。

 

最初は住んでいた森を人間に奪われ、人間を憎んでいたシャオヘイが、人間であるムゲン(年齢不詳。少なくとも400年は生きている。子持ち)に出会って、様々な価値観に触れ、少しずつ学んでいく……この過程が本当に丁寧に描かれます。視聴者は、いつの間にか物語に入り込んでしまい、シャオヘイとムゲンの旅路に息を呑み、時にうっとりし、そして常に気持ちの悪い笑みをその口元に浮かべる事でしょう。

これは全て私の実体験です。

 

 

 

狂っちゃお!ロン毛パラダイス

 

このブログタイトルで察していただけるように、私はロン毛男が大好きです。忍たまから始まり、リボーンやイナズマイレブンを経由して、最近ではテイルズオブヴェスペリアに沼に突き落とされました。

 

その集大成が、羅小黒戦記でした。今までの私がロン毛が好きだという感情は、全てこの映画を観る為にあったのだ……思わずそう思ってしまうほどの、すさまじいパワーが、この作品にはありました。

 

luoxiaohei-movie.com

 

公式サイトのキャラクター一覧を見て頂ければ一発で分かるのですが中国のお国柄故か、ロン毛キャラがめちゃくちゃ多いです。しかも、全員最高のキャラクターです。

 

前半なんて特に凄くて、画面の何処を見てもロン毛、右を見ても左を見てもロン毛の男キャラがいるという、とんでもなくパラダイスなシーンしかありません。楽園はここにあったんか!?! 桂小枝師匠はおらんけど、ここはパラダイスなんや!!!理想郷(ユートピア)なんですよ!!!

 

居場所を失ったシャオヘイに、仲間と居場所を与えてくれるフーシー櫻井孝宏

そのフーシーを狙い、襲撃がきっかけでシャオヘイと旅をする事になるムゲン宮野真守、フーシーの仲間の妖精であるシューファイ斉藤壮馬とロジュ松岡禎丞、と、上げていけば出るわ出るわロン毛男の名前がよう……

 

ロン毛好きでこの映画を観に行かないのは、損です!!絶対に貴方の好きな最高ロン毛男が見つかります!! 断言します! 

私が好きなのはムゲンです……アクキーを買いました……ねんどろいども買います……

 

 

上映後、スクリーンに向かって命乞いをした

 

これは事実です。劇場が明るくなった後、私が友人に向かって告げた第一声は、「もうだめかもしれない……」でした。最高過ぎるロン毛男を膝に受けてしまい、もう立ち上がる事すらできないと、本気で心からそう思いました。今でもそう思っています。

 

上映中も、おおよそ三十分が過ぎたあたりから「いや……!! もうだめ!! 助けて下さい!! お願いします!!」と何度も中国に居るであろうMTJJ監督とスクリーンに向かって命乞いをしました。

 

これ以上最高をこの身に受け続けてしまうと、私の身体は内側から破裂して、大惨事を引き起こしてしまう……忍者と極道のように、笑顔のまま首がはじけ飛んでしまう事態になる……!! そんな確信を抱きました。これは間違いではありません、事実です。

 

映画館から出た後も、一時間ほどはずっとうわごとのように「助けて……殺さないで……なんでもします……」とまるで廃人のように呟いていました。友人には引かれていました。映画を観終わった後に命乞いをしたのは初めての経験でした。限りなく近い感情を、劇場で初めて「プロメア」を見た時に思いましたが、ここまで狂ったのは初めてです。

 

多分この時に居酒屋などのキャッチに声を掛けられていたら「やかましい!! 私は今ムゲン様の事で頭がいっぱいなんじゃ!!!!! 話しかけるんじゃねえ!!」と叫んでいたと思います。本当にそうならなくて良かったです。私は無闇に人を傷つけたくはありません。

 

 

 

 

 

 

長い旅の終わりに

 

本来ならば、この映画を見に行った後に、すたみな太郎という友人曰く「金を払って食の治外法権地帯へと足を踏み入れる店」に行く予定だったのですが、時間の都合上、私たちは昼にすたみな太郎へいきました。今思えば、本当に良かったと思います。羅小黒戦記の美しさが、私が友人に振舞ったクソカレートッピングで汚されなくて、本当に良かった……。私は今、心からこの事に感謝しています。ありがとう、すたみな太郎

 

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カレーの彩トッピング 〜秋風薫るほの甘さを添えて〜

 

これは余談なのですが、同じ猫映画のCATSが、現在アマゾンプライムで会員限定無料配信中です。猫の可能性を垣間見たい方は是非そちらも合わせてご覧ください。作業用に最適です。CATSを三回も見た後だと、羅小黒戦記が本当に面白くなる事を保証します。

 

これは一個人の意見ですので、CATS初心者の方はよく使用方法をお読みになって、お体に充分お気をつけてご視聴下さい。

 

ronngetoritate.hatenablog.jp

 

それでは、わたしはもう一度CATSを見てきます。さようなら。

アンナチュラルは人生に檸檬の香りの概念を与えてくれるし、実質『アイカツ!』(ドラマ アンナチュラル 感想)

今回私が言いたいことは全てブログタイトルで説明が出来る。(それはいつもの事である)

 

 これを書いている私は、このブログを読んでいる奇特な読者の方々はおおよそオタクだと勝手に踏んでいるので聞く。

 


オタク達、ドラマ「アンナチュラル」観た!?!?!?!

 

 

アンナチュラル Blu-ray BOX

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  • 発売日: 2018/07/11
  • メディア: Blu-ray
 

 

 


 視聴していない場合は一刻も早くアマゾンプライムに登録して第一話を観て下さい!!!そして気が向いたらこのドラマを見て気が狂ってしまった私の記事を読んで下さい!

 

 

 かくいう私もアマプラにこのドラマが登録された事と、ツイッターでフォローしているオタクがアンナチュラルを観て発狂していた事がきっかけで視聴を始めた。――その結果、おおよそ三日ほどで全話視聴した熱狂的なアンナチュラルオタクが爆誕した!

 

 まじでこのドラマをリアルタイムで見ていなくて良かったと思う。こんなん週の終わりの金曜日にぶち込まれたら面白さと苦しさと続きの見たさで発狂して死ぬ……。全話観れる環境でよかった……。


 因みに私は普段ドラマというものを殆ど視聴しない。最後に全部見たドラマはアマプラ限定配信の海外ドラマのグッドオーメンズ(このドラマはブロマンスに親を殺された人間に見て欲しい)くらいだ。

 

 アイカツ!を視聴する前にも思ったが、基本的に私は連続ドラマや話数のあるアニメを見る事が苦手だ。映画館で映画を見る事は好きだが、逆に言えばそれはそんな状況でもなければ数時間ずっと画面を食い入るように見る事が疲れるし、少し苦手なのである。(アイカツ!を見れた事でその感情は少し緩んだが)

 


……と、ここまでつらつらと語ったところで、この記事はそんな私がアンナチュラルの何にそこまで惹かれ、狂ってしまったのかを思考の整理の為にまとめようとするものである。話題になったドラマなのでこういったブログ記事は世の中にありふれているが、私の心の整理の為に書く、と前置きを入れておく。

 

 

 


1 アンナチュラルってどんなストーリー?

 


 このドラマの舞台は主に不自然死究明研究所(UDIラボ)という施設。そのラボで働いている法医解剖医の三澄ミコト(石原さとみ)が主人公である。ストーリーはほぼ全編に渡り、UDIラボに運び込まれた死因解明を望まれる遺体を大きな軸として、ミコト達UDIラボの職員達の奮闘と、死者と遺された人々の姿をありありと描く。

 

 基本的には一話完結型で、毎回新たな死体がラボに運び込まれる。その遺体の死因は事故死であったり、凍死であったりと様々。

 

 否が応でも誰かの“死”を見つめなければならない状況で、己の無力さに泣き、怒りに震え、それでも未来に生きなければならない、そんな人々の物語だ。

 

 一話完結の物語中でも、犯人不明の連続殺人を追うという大きなバックストーリーが同時にゆっくりと、だが確実に展開される。

 

 一話おおよそ四十五分ほどで展開されるストーリーの中には、このような重く苦しいストーリーでありながら、それを感じさせない程の登場人物のコミカルな会話や、視聴者を飽きさせない為の、最初の見立てからも二転三転する事件の全貌が、本当にテンポ良く描かれる。

 

 まずここまで読んで一話だけ見て、そのテンポの良さに引き込まれたのなら、是非最後まで見て欲しい。最後まで期待を裏切る事無く、アンナチュラルは最高を超えたまま最終話まで駆け抜ける。一話だけで主要人物達の人物像や、この物語は“何を描くのか?”ははっきりと分かるだろう。

 

 

 

2 その魅力的な登場人物達

 


 この物語の主人公は前述した通り石原さとみ演じる三澄ミコト(みすみみこと)だ。

 

 食べる事が好きで、一話に一回は彼女の食事シーンが入る。この物語の一番最初もロッカールームで天丼を食べている彼女の食事シーンから始まる位だ。この“食べる”という行為は“死”から最も遠いところにあるといっても過言では無い。死がすぐ側に這い寄るこの物語で、生きる為に食べる彼女の姿は何よりも美しいものに感じる。遺された遺族に「食べる気分じゃ無いからこそ食べる」と言い切ったミコトは、この物語の中で誰よりも生きている。

 

 彼女は実の母親による無理心中に巻き込まれ、家族の中で唯一生き残ったという過去がある。その為、“不条理な死”を何よりも憎んでいる。その姿勢は作中において一貫しており、不条理な死に巻き込まれた死者達に対し、真摯に向かうその姿はこの物語の主人公にふさわしいと思う。

 


 この物語にはもう一人主人公と呼ぶにふさわしい人物がいる。それは井浦新演じる法医学者の中堂系(なかどうけい)だ。

 

 傍若無人で態度が悪けりゃ口も悪い。愛想も特に無く、すぐに「クソが」を連発し(まじで一話に一回は絶対に言う)協調性も無いせいでチームを組んだ臨床検査技師は一瞬で辞めていく。そしてその末にパワハラで訴えられても本人にはその自覚が無い。どうしようも無いほどの欠点だらけの人物だが腕は確か。――そして、「アンナチュラル」という物語はそんな彼が未来を向いて歩いていけるようになるまでの物語でもある。

 

 彼は八年前、恋人の女性を不自然死で亡くしているという過去がある。一時は、彼自身が恋人の解剖を担当した事で犯人だとも疑われるが、証拠不十分で釈放される。未だに恋人を殺した犯人は捕まっておらず、唯一残っていた犯人の痕跡(被害者の口内に残された、赤い金魚の痕)だけを辿って、八年間、ずっと犯人を憎み、恨み続けながら前に進めずにいる。

 

 誤解を恐れずに言うと、彼はこの物語屈指の萌えキャラである。最初は誰とも関わりを持たず、毛嫌いされていた彼が、ミコト達が事件の事を知っていくにつれ彼女らを受け入れ、行動を共にする事も増える。パワハラで訴えていた相手とは「もうクソとは言いません」という大真面目な宣誓書を書かされ、クソという度に弄られる。当初は滅多に食事シーンも描かれなかった彼も、物語が進んで行くにつれ、共に食事をするシーンが挟まっていく。死んだように、犯人への憎しみだけで首の皮一枚繋がっただけで生きていた彼は、この物語の中で確かに息を吹き返す。これは彼の清算と再生の物語だ。

 


 ミコトの同僚で、この物語を色鮮やかに彩ってくれるのが、市川実日子演じる臨床検査技師東海林夕子(しょうじ ゆうこ)だ。市川さんを私はシンゴジラの尾頭さん以外で初めて見たのだが、彼女がいなければここまでこのドラマが輝く事はなかったと思うくらいに、素晴らしいキャラクターだった。どうしてもシリアスになりがちなミコトや中堂達の中で、場を賑やかにし、ミコトのサポートに回ってくれる彼女は、間違いなく同僚にしたい女ナンバーワンだろう。少なくとも私はそうだ。彼女とミコトが並んで歩いていたり、一緒にご飯を食べているカットがこのドラマには何回も出てくるのだが、その度に息の合った会話劇を繰り広げ、視聴者に安堵する瞬間を与えてくれる。彼女の功績は大きい。そして有能だ。事件に巻き込まれて容疑者になったりするけど。

 

 にひひという言葉が似合う笑顔が眩しく、時には落ち込んだミコト達を励ます。それでもミコトとは「友人じゃありません」なんて言うんだから……その後でびっくりするくらい良い笑顔で一緒に飲みにいって、最終的には長期バカンスの計画まで立ててるじゃん……あのさあ!!!!!!!!(突然興奮するオタク)

 


 ミコトと中堂が表の主人公とするならば、この物語の裏の主人公とも呼べるのが、窪田正孝(はい出た!!!!!!!!!!!)演じる久部六郎(くべろくろう)であろう。

 

 彼はUDIラボに記録員として雇われたバイトの医学生で、代々医者の家系に生まれている三男坊である。とは言っても医者になる決心をつけられたという訳でもなく、自分が何になりたいのか分からずにいる。

 

 彼は法医学者を目指している訳ではなく、UDIラボの内部事情を知るためにとある記者によって送り込まれた俗にいうスパイみたいな存在なのだが、医者の卵ではあるが法医学の分野に関しては明るくない彼は視聴者ともリンクして、的確に我々が分からない質問を周囲(主にミコトや東海林)にしてくれる。

 

 どうしても視聴者目線に立つ事が多い彼なので、彼が記者としての自分と、法医学を真剣に学びたい自分とで葛藤している場面が入るとどうしても苦しくなって視聴者は死ぬ。

 

 ミコトの事を少し意識しているかのような描写が挟まり、視聴者は彼の恋と呼んでよいものか、それすらも危うい小さな感情の機敏にニコニコしてしまうのである。にっこにっこ。一緒に水に沈みそうなトラックの中で命の危機に晒されたり、的外れな推理をしてはへっぽこと言われる彼はまじで小型犬みたいで微笑ましい。東海林と並んでこの物語の癒やしである。

 


 ……と、今紹介した四人の他にもUDIラボの所長である神倉さん(松重豊)だったり、ミコトの母親である夏代さん(薬師丸ひろ子)だったり、パワハラを訴えた張本人でムーミンに愛を向けている坂本さん(ゆるキャラみたいな癒やしキャラ)(飯尾和樹(ずん))だったりがいるが、ここでは長くなりすぎるので紹介は省く。とにかく全員良いキャラです!!!!!!!!見て下さい!!

 


3 Lemonという怪物

 


 ここからが本題だ。ここから読んで欲しい私がアンナチュラルに対して言いたい事の全ては米津玄師の紅白にも出た、現在YouTube上で6億再生もされているこの主題歌に詰まっている。

 

Lemon

Lemon

  • 米津玄師
  • J-Pop
  • ¥255

 

私の感情を一言で言うと、

 


Lemonのサビの外人達とウェッで笑っている全ての人類は絶対にアンナチュラル見ろ!!!!!!!!

 


という事である。アンナチュラル見た人がウェッで笑ってたらそれは私の管轄外です……。私は未視聴の状態で笑ってたがもう笑えん!!

 

 米津玄師のツイッターを見ると、この曲はこのドラマの為に書き下ろしたと書かれている。つまり、Lemonを骨の髄まで理解する為にはアンナチュラルを見るのは必然の行為なのである。

 

 アンナチュラルはめちゃくちゃ良いタイミングでこの曲が流れ出すとはよく言われていたが、その感想達に一つの間違いは無い。毎回毎回、死の不条理さと、それでも前に進むしか無いと登場人物達が受け入れ、一瞬だけ何も音が鳴らず、視聴者に委ねる無音の世界が訪れた後、あのフレーズは流れ出す。

 

「夢ならばどれほど良かったでしょう」と……。

 

 別名視聴者殺しのテーマ。(涙腺)死刑執行のテーマ。これは勝手に私が名付けた。

 

四話くらいまで見たところで最後の四分くらいになるとそれは流れ出すので、頭の中の小松菜奈が「来るよ!!Lemonが!!」と叫んだ。(因みにこれは霊能バトル地獄映画「来る」の話ではない)

 

 恐らくスタッフの中に最高のタイミングでLemonを流す為だけに雇用された人間がいるはずだ。多分クリープハイプの「憂、燦々」でのサビ前の「ンパー」担当の人のように……。

 

憂、燦々

憂、燦々


 因みに、アンナチュラルを最終話まで駆け抜けた私の感想は「実質アイカツ!」だったのだが、その大部分の理由がこの曲にある。

 

(以下、アイカツ!の短い話)

 

アイカツ!には「カレンダーガール」という屈指の名曲が存在するのだが、歌詞だけを見るとよくある「どこにでもいる普通の女の子が何でも無い日常を友達と楽しみながら日々を過ごしていく」というものだ。

 

カレンダーガール

カレンダーガール

  • わか・ふうり・すなお from STAR☆ANIS
  • アニメ
  • ¥255

 

 歌詞の内容だけでも非常に素晴らしいのだが、この曲が屈指の名曲たり得る理由は、アイカツ!というアニメ作品がこの作品を本当に昇華させるまでに積み上げてきた全50話という道のりがあるからだ。アイカツ!はストーリーと楽曲をリンクさせるのが非常に上手い。なんでもない曲に、アイドルの成長を組み合わせる事で、他に換えがきかない、この曲でなくてはならない、という理由付け、楽曲の肉付けをしてくれる。

 

 カレンダーガールという曲も、最後にアニメの主人公であるいちごちゃんが海外へと行くために大親友であるあおいちゃんと別れるという、何でも無い日常が崩れていくその瞬間にこの曲を流し、決して他の曲では変えられない印象を付けた為、オタクはこの曲を聴いて泣く。ただの曲に過ぎなかったカレンダーガールに、感情という質量が乗ったのである。

 

(以上、オタクのアイカツ!語り終わり)

 


 つまり何が言いたいのかといえば、アンナチュラルというドラマは今までこの曲を表面上でしか理解していなかった人間に対して、Lemonという化け物ソングを質量を与えて視聴者にフルスイングでぶつける、恐ろしくもあり、同時に素晴らしいドラマなのだ。

 


 身近な人間と別れを経た人がこの曲を聴いて泣く、それは理解できる。だが、泣ける曲に必要なのは共感する事だ。私はそう思っている。

 

 幸いな事に、私はまだLemonの歌詞の気持ちを心の底から味わった事はない。家族はまだ生きているし、身近でいなくなった人間もいない。だから、Lemonを離別する推しカプの曲にする事はあっても、心から理解できないでいた。 

 

 そんな人間に、ただの日本語の文字列に質量を与えて、心にぶち込むのがこのドラマなのだ。不条理な死に立ち向かった人々の心情を、この曲はいっそ痛々しいほど真正面から綴っている。この曲を聴いて救われる人間がいる事も納得できてしまう程、目を逸らしたくなる程の心の動きを、一切誤魔化す事無く聴いた人間にぶつけてくる。(この記事を書きながらLemonを聴いているが、つい数日前よりも確実に解像度が上がった)

 

 

 

4 終わりに

 


 長い事書いたが、これは決してアンナチュラルがLemonの付属品だという話では無い。このドラマが、真っ直ぐ死者と、そして死、別れと向き合ったからこそ、視聴者は何かを感じ取るのだ。これは稀有な経験だ。滅多に味わえるものでは無い。

 


 正直な話、「石原さとみの唇がすごいからそれだけでもいいから見てくれ」という事は出来る。

 でも、それだけじゃない程の、溢れんばかりの魅力を、彼女は持っている!

 

 このドラマの彼女は美しく、強い。

 

 そしてどうしようもなく今を生きている。死を憎みながら、それでも生きている。死者の後悔、生者の苦しみ、そしてエゴ、そのどれもを、真正面から受け止めて、それでもミコトは前に進んだ、旅は終わらない。

 


 どうか、一話だけでもいいから見て欲しい。特にこの一話は2020年のこんなご時世だからこそ胸に詰まるような話だ。そしてどうか、何か感じれるものがあったならば、我々が見れる彼女達の旅を、最後まで見届けて欲しい。

 

 

 

私は今からMIU404見てきます!!!!!!!!!じゃあな!!!!!!!!!!まってろよ星野源!!!!!!!!!!!!!!!!

人生で初めて10万字の同人小説を書いたので、過程をまとめてみよう

いつもの如く、ブログタイトル通りの内容である。

 

私は気が向いたらブログを書いているが、ついでにpixivで二次創作の小説もどきを書いたりもしている。私は腐女子なので、BLがメインだ。

 

多分3年間くらい色んなジャンルで書き続けて、この前初めて10万字の作品を書いた。今までの最長が8万9千字だったので、文字数としては大幅に伸びた。

 

10万字、それは小説を書いている人間なら一度は夢見る……いや、クソデカ主語は反感を買うかもしれないのでやめよう、私は憧れていた。マウントを取りたいとかそういう話ではなく、純粋に10万字の推しカプがある世界は最高だからだ。

そう書いておこう。私は炎上が怖い腐女子なので……。

 

『長編は一度書いたら書くハードルが下がる』

 

……とはどこかの先人が言った名言ではあるが実際に体験してみるとまったくもってその通りであり、今でも(今回書けたんだし、次に書く話も10万くらい書けそうだなあ〜)みたいなトンチキ頭狂った馬鹿思考になっている。

 

1年くらい前まで、10万字レベルの作品をポンポン上げていた圧倒的強者文字書きのフォロワーに「気持ち悪……ッ!  どんな思考回路してんの?(褒め言葉)」と言葉を投げていた私が、実際に書くに至ったので、今回得たものを忘れないように、備忘録と称して、書く際のコツなどを書いておこうと思う。

 

まず最初に書いておくが、これは素人が書いた小説を、素人がバカ真面目な顔で必死になって解説する、黒歴史に近い記事なので、決して全てを鵜呑みにせず、鼻で笑う程度に留めておいて欲しい。

 

正直役に立つかは不明だが、これから長編が書きたい!と思った誰かの参考になれば幸いである。

 

(合わせて、これは2万字くらいの話は書ける! という人向けなので、5千字しか書けないけど1万字の話が書きたい! みたいな人は別の人のブログなり何なりを見ることを強く推奨する)

https://note.com/skt_pnt/n/n10a8d8aa9ab0

これとか好き

 

1.長編を書く時に恐らく必要なもの

 

自分が一番楽に書ける執筆環境

(二次創作であれば)原作、推しCPへのでかい感情

プロット(一番モチベに関わると思う)

イメソン(個人による)

 

上から説明していこう

 

私は今回の作品を、最後の推敲を除いて全てpomeraDM200で書いた。

 

キングジム デジタルメモ ポメラ ブラック
 

 

こいつは『文章を書く』事だけに特化した物凄い機器であり、文字の打ちやすさと合わせて、私は既にこいつ無しでは生きられない身体にされている。あとノートパソコンよりも遥かに軽い、持ち運びに便利。あと目がそんなに疲れない、ような気がする。電池も充電式。便利の塊。

 

キングジムさん……愛してるよ……(ごますり)

 

Bluetoothキーボードとしても使えたり(するらしいが、あんまり使った事ない)、類語辞典やら英和辞典やらが全てついてる、本当によく出来るやつである。

 

欠点はこいつ一台を買うと中古のPS4ぐらいなら余裕で買えるほどの金が吹っ飛ぶ事。私は多分値段分くらいの元はとった気がする。

 

キングジムさん……値下げ、お願いしますよ……(ごますり)

と、まあこのままだとpomeraの布教記事になってしまうのでこの辺にしておくが、自分が一番楽に書ける環境なら何でも良いと思う。私も今までWordやらEvernoteやら色々試した末にpomeraに落ち着いたので。

 

 

長編を書こうと思ったら、かなりの長丁場になると思う。

 

書こう! と思っているぐらいなのだから心配は不要かもしれないが、それが二次創作の場合は、原作や、推しCPへの感情は必要だと思う。

 

好きであればある程、その原作の中に出てくる世界観、キャラクターで何かを表現したければしたい程、その長編の中身は豊かになっていくはずだ。少なくとも、『このCPが流行ってるから……』『評価されたいから……』で書いた話よりも、ずっと面白くなるはずだ、とそれっぽい言葉を並べておく。

 

要は自分の長編とずっと向き合ってられるかの話だ。

 

そして、ここまで色々と書いたが、個人的に長編を書くにあたって一番重要なのはプロットだろうと考えている。

 

これは完全に持論だが、長編、その中も10万字レベルの話を書くにあたって、プロットはほぼ必須なのではないかと私は考えている。

 

そう考える理由はいくつかあって、10万字レベルの話になると、話のネタを結構入れ込まないと絶対に字数が足りないので、そのネタを整理する為に必要である、という点が一つ。もう一つは進捗の可視化である。

 

自分が今どのあたりまで書いたのか、経過がひと目見て分かる事はモチベーション維持につながる。(これがダイエットにも適用できたらまじで最高だ。私はできた試しがない。)

 

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私はこの写真のようにがっつり細かいプロットを最初から最後まで書ききってから話を書き始めるタイプだ。この話では一年間を書いた。どうしても壮大な話になりがちだ。多分、一日だけとかの描写だと文量が足りない。プロとかは別だと思うけど。

 

プロットの書き方は人によって様々なので参考にならないとは思うが、私は本文の1/10くらいの文量の、最初から最後まで展開を決めたプロットをあらかじめ作る。途中で思い付きながら書けないっていうのと、細部を少しずつ変えながら書く作業が楽しいからだ。

 

10万字書こうと思ったら、プロットはその1/10の1万字は必要だろうと踏んでいたし、実際にそうだった。

 

私がよく好んで書いている文字数は3万〜4万字で、いつもプロットは3500字ぐらいだった。よって、エピソードを盛り込む数はその3倍だろうと予想がついた。一つの描写を長く書くよりは、必要なエピソードを入れ込む方が、間延びしない作品が書ける、かもしれない。

 

因みに、このプロット方式に辿り着くまで私は1万字超えたらやった〜!レベルの短編書きだったので、わりと真面目にプロットと自分の相性は大事。

 

肝心の中身であるストーリー構成については、私はこの本を参考にした事がある。

 

SAVE THE CATの法則で売れる小説を書く

SAVE THE CATの法則で売れる小説を書く

 

有名な作品を取り上げて、本書の中で解説されるストーリー構成の枠組みに当て嵌めて考える、という内容。大事なものの喪失→取り戻すまでといった、あらかじめ設定されたテンプレに、思いついたネタを少しずつ当て嵌めていくだけで意外とドラマチックな物語が出来るかもしれない。

 

正直買わなくても全然問題ないのだが、行き詰まった時に読み返すと新たな刺激でも得られるかも知れない。

 

後は三幕構成やら、起承転結やら、物語を彩る術は色々ある。この世に溢れすぎてるくらいだ。初めて書くなら三幕構成の方が簡単かもしれない。私の説明なんかよりももっとわかりやすく纏められているサイトはいっぱいあるので調べるとヨシ!(現場猫

 

 

https://monokaki.everystar.jp/howto/nonseries/2708/

このサイトとか、色々わかりやすいと思う。

 

何度も書くがこれは私の持論なので、重く受け止めすぎる必要はない。

 

実際、冒頭の頭狂い強者字書きはプロットらしいプロットをほぼ書かずに書き上げていた。まじで頭おかしいでおい。

 

最後はイメソン……だがこれも結局はモチベーション維持の為にあれば、まあいいかなあレベルなので、個人差が大きいだろう。

 

私は長編になると、頭の中で映画だったりアニメだったりの構想を勝手に立てたりするタイプの字書きなので、これはOPの曲で、これはEDの曲、これは推しCPがいい感じになってる時のRADWINPSみたいな劇中歌……みたいな感じで分類してイメソンを選ぶ。みんなするでしょ!! え、しない? そっか……た、楽しいからして欲しいな……。

 

 

野性の同盟

野性の同盟

因みに、今回のOP曲

心と体

心と体

ED曲

 

不思議な事に選曲がBUMPだったり椎名林檎だったり米津玄師だったりクリープハイプだったりと、オタクイメソン御用達アーティストばっかりになるがそれはご愛嬌だ。許して欲しい……。

 

 

2. 何とかして書き切ろう

 

一番の難関だと思う。長編を書いてる途中、とくに2万〜5万字位の時が一番しんどい。私はそうだった。

 

10万字クラスになると、よく言われる「好きなところから書いていって繋げていこう」は厳しいと思う。

 

ストーリーとしての整合性が取れなくなる、っていうのと、今までに書いてきた、元々伏線ではなかった要素を伏線として後に取り入れるっていう作業も楽しく書く上で重要だと思っているからだ。

 

何となく書いた要素を、続きを書きながら「これは伏線にできるな」などと思いながらストーリーを再構成していくのは本当に楽しい。

 

よって、完成への長い道のりを地道に歩いていくしか方法はないのである。(私の場合は)

 

今までだったらもうとっくに完成して投稿してるのにな〜〜〜!!みたいな思考にめちゃくちゃなる。

あとこれ面白いんか!? みたいな自問自答を何回も繰り返す事になる。

 

正直……私も書き慣れた訳ではないので大概な事は言えないが、これはもう、割り切るしかない。

 

長いのを書こうと思ったら、一番必要なのは「絶対に完成させる」という強い意志と、「これはめっちゃ面白い話からどうにかして完成させて誰かと共有したい」と思い込む強い力なんじゃないかと悟った。

 

後は、一日に一気に進めようとしても絶対に書けない。私は一日にせいぜい書いて1万5千字、最後の最後で2万字書いたら死にかけ……というレベルなので、最低でも一日にこれだけは書こ! みたいなラインがあると小さな達成感が蓄積されて嬉しい感じになるかもしれない。

 

長編とはいっても、突き詰めるとどんな話でも短いエピソードの積み重ねだ。今日はこのエピソード(私の場合だったら章)が書けたからヨシ! みたいな事を繰り返していると、6万〜7万字くらいになると幾分か楽になった。終わりが見えてくるからだ。

 

しばらく書き続けていると私はライティングハイになるので、そのあたりの記憶がまじでない。かろうじてドリフェス!のCDとアイカツ!のCD(作業用BGMとしてよく聴いている、何回も聞きすぎて日本語の歌詞に頭が惑わされる事がない好きな曲)を聴いていた事だけは憶えている……。

 

 

ありがとうKUROFUNE……

ありがとうアイカツ!……

 

よく言われているけれど、締め切りがあるのも大切だ。10万字レベルだと小説同人誌が余裕で作れちゃうので、イベントに合わせて書くと逃れられなくていいかもしれない(地獄)

 

書き上げた時の達成感は、そんじょそこらの小説の比ではないだろう。多分長編を一度書いた人間は、あの感覚が忘れられずにずるずるとまた長い話を書き始めるのである。業が深い。

 

 

 

 

3.推敲をしよう

 

本腰をいれてやったら丸一日は余裕で潰れる。10万字レベルだと推敲したら本文+2万字はあり得ると思う。

 

多分一番楽かつ逃げられない方法は、書いた本文を冊子で印刷して、赤ペンで直していく事だと思う。3万字くらいの時で半日かかったので10万字だと……多分三日は見積もったらいいんじゃないかな……(遠い目)

 

ついでに作品を寝かせる事でブラッシュアップも図れるので、それで頑張って満足するクオリティまで上げていけばいいと思う。

 

折角苦労して長い話を書いたのだから色んな人に読んでもらいたい、出来れば完成度が高いものを!と考えるのは当然の思考回路だろう。

 

推敲終わりまで来れば後は各自サイトに投稿するなり、同人誌を発行するなり、好きなように調理すれば良いだろう。それからの事は書いたものしか知らない。

 

5千字近く見てくれてありがとう。

普段と違って全然面白みの無い記事ですみません。

 

二次創作なんてものは楽しんで書いて、自分の解釈で相手を先に殴った人間の勝ちである。(暴論)

10万字書くのは自己満足の極みだ。でも楽しいものはしょうがない! そんな気持ちで書いていこう。

 

この記事が、誰かの参考になれば幸いである。

君はもうディ○ニークソガキッドワンダーランドをプレイしたか(ツイステ レビュー)

全く持ってブログタイトル通りである。

(一応)女性向けソーシャルゲームとして、天下のディズニー社が作り上げ、「黒執事」でおなじみ、漫画家の枢やな先生が美しくコーティングした今が圧倒的旬のソシャゲ、「ディズニー ツイステッドワンダーランド」を、このブログを読んでいる奇特な貴方はもうプレイしたでしょうか!?

 

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これは、一人のオタクがツイステの世界にHIGH&LOWを重ね、2章を読んで「どうしちまったんだよレオナさぁん!!」と思わずコブラとヤマトになってしまい、3章を読んで「九龍グループみたいなの出てきたから絶対に笑ってはいけないナイトレイブンカレッジ爆破セレモニーも近いな……」と確信を持つまでの戦いの物語である。

 

 

 

3章までの結構大きめなネタバレを含みますのでご注意ください

  

 

 

 

 

 

ツイステはエンターテインメントで天下を取ったディズニー社が満を持して放つ、ベリールッキングガイしか出てこない、「本当のハッピーエンドを見せてくれる」(公式サイトより)ソーシャルゲームである。冒頭でも述べた通り、原案、キャラクターデザイン、メインシナリオを黒執事でおなじみ、漫画家の枢やな先生が手掛けている。キャラクターの見た目の良さはもうお墨付きである。安心してキャラにメイクを施そう!

 

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ベリールッキングガイ達

 

最近ヴィラン方面に力を入れまくっている(ほら、手下)ディズニーらしく、登場するキャラクターの元ネタとなっている本家キャラクターは皆映画本編の敵キャラである。(ハートの女王、海の魔女アースラ、白雪姫の母、マレフィセント等々)

 

このゲームの世界はそんなヴィラン達を人々を救ったり、導いた英雄のように讃えている異世界、「ツイステッドワンダーランド」である。

 

主人公であるプレイヤー(見た目、性別不明)は、こんなトンチキな異世界の名門魔法士養成学校、「ナイトレイブンカレッジ」(男子校)に、どういう因果か連れてこられ、学生として日々を過ごす中で、元の世界に帰る方法を探す事になる。(舞台は魔法士育成学校だというのに、主人公は魔法が一切使えない、普通の人である)

 

ファンの目を恐れずに言うならば、ハリポタの世界に(まだ)比較的優しいまどマギの味をブレンドしたような世界観である。登場キャラは全員スリザリン生だと思っておいてもらえれば大体の事は解決する。

 

 

 

 

ツイステの魅力その1 治安の悪さ

 主人公がいきなり通う事になるナイトレイブンカレッジだが、まあ大変治安が悪い。鬼邪高かと見紛うくらい割と悪い。

 

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治安が悪い事で有名な鬼邪高校。顔がいいので実質ナイトレイブンカレッジ

 

主人公がしょっぱな絡まれる事になるモブ生徒は学食でパスタの温玉が崩れた事に切れて戦いを挑んでくるし、

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基本的にキャラの行動原理はどこまでいっても「自分の為」なので、友達の為にクリスマスツリーの大木を切るぞ! という星宮いちごの慈悲というものはこの世界に存在しない。全生徒に対してアイカツ視聴授業を義務付けた方が良いんじゃないかな……。

 

そんな、基本自分の為だけに動いている男達が一か所に集まって問題が起きない訳が無い。

学園はいくつかの寮に分かれていて、寮同士で小競り合いが発生していたりする。

 

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ちょっとどころではない

 

ちなみに、主人公は魔力がすっからかんで魔法は一切使えないので、どこの寮にも淹れてもらえなかった。その代わりに、全然使われていないぼろい寮の中で、炎を吐き出せる狸と一緒に住む事になる。

 

名門校だが治安は悪いので魔法を使った大掛かりな問題が頻繁に勃発する。主人公は前世で何か悪い事をしてしまったのか、毎度毎度その厄介事に巻き込まれる羽目になるのである。……ここ一応名門校ですよね?

 

ナイトレイブンカレッジの学舎は立派な城だが、外面が良いだけで裏面は刃牙の家みたいになっていると私は思っている。

 

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ツイステの魅力その2 人間一年生、情緒不安定なクソガキ達

 

ツイステをプレイした事のある人間は皆口々にこう言う。

「ここはナイトレイブン保育園」と。

私はこれをオタク特有のすぐ幼児化させるあのムーブの一種だと思っていたが、(一応)ストーリーの最新話までプレイした身としては、強く同意するしかなかった。

私に許された事は……その手にミルクとガラガラを持つ事だけだ……ッ!! 皆人間一年生だから仕方がない!!

 

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エースさん(首輪してる男)のありがたい一言

 

この世界では魔法が存在するが、無尽蔵に使い続けられるわけでは無く、使うごとにブロットという濁りがたまっていく。端的に言えばソウルジェムが濁るのである。

そして、ブロットがたまりまくった状態になると、「オーバーブロット」、言い換えると「魔女化」して手当たり次第に暴れる。情緒不安定かよ~~~~!!!

 

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端的に状況を表したケイトさんの一言

 

今のところその状態に陥ったのが、各寮の寮長ばかりなので、プレイヤーはナイトレイブンカレッジの明日を祈る事しかできない。

果たして情緒不安定ばかりの寮長によって率いられた学校は上手くいくのか!?

 

周囲には男子高校生らしいクソガキしかいないぞ!?

 

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これは拳でいかせてもらうタイプのクソガキ達

 

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これは情緒不安定なクソガキ代表(口元に黒子がある目元が涼しげな男はケツが弱いってそれ義務教育で習う事ですからね)

 

ツイステの魅力その3 キャラ造形が分かりやすい

 

各寮それぞれのキャラ一覧を見てもらえれば大体分かるのだが、このキャラがこの寮で、というのが比較的分かりやすく、キャラクターデザインも元ネタがしっかりしている為に、傾向を掴みやすい。ハートの女王モチーフの寮なんて一発で分かる。

 

キャラクターそれぞれの関係性も、原作を踏襲していながらも、オタク偏差値が高い人間ならば割とすぐ理解を得られるレベルでベタなものが多い。だがそれでよい……それで良いのだ……。(それでも不明な点もちょこちょこ存在するので、今後掘り下げが行われていくだろう)

 

要領の良い陽キャと優等生になって高校デビューしようとしている元ヤンがライバル関係だったり、生きる為なら何でもするようなスラム街出身の男がカリスマ性のある王族の口数の少ない男に色々と世話を焼いていたり、礼儀正しい男と無邪気で残酷な男が双子だったり、オタクが好きな熱い関係性も完備! サバナクロー寮、何卒よろしくお願いします!!

 

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ベリールッキングガイ、サバナクロー寮

 

 

 

ショタじじいも、数百年生きてるスーパーツノ太郎も、コミュ障引きこもりオタクも、軽薄そうに見えて実はどえらい過去を抱えてそうな軽いノリのギャル男子も完備、福利厚生は充実!唯一の欠点は皆クソガキな事です!

 

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彼氏面ツノ太郎との夜会話

 

 

 

まとめ

正直そこまでハマらん、と思っていたゲームだったが、プレイしてみると人気になる理由も大変によく分かった。まさかツイステでKUROFUNE構文(顔は良いが生まれや過去から自分に自信が無い男が口数の少ない関白宣言がイメソンみたいな男に救われる構文の事。浴びたい人はサイコー超えてるテレビアニメ「ドリフェス!を視聴しよう)を見る事になるとは思わなかった……

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この二人、2章3章で浴びる程見れるのでよろしくお願いします

 

そもそもどこにでもいるような普通の人間が相棒の小動物と共に、共に馬鹿をやってくれる悪友たちと一緒に学園内のトラブルを解決するっていう構図がまず面白いのだ。

レベル上げとランク上げはちょっとしんどいが、頑張れば二日で最新話まで見れる!

レッツエンジョイ! ナイトレイブンライフ!

最後に名門校とは思えないレベルの治安の悪い不良を見てお別れと致しましょう

 

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余談だが、私はアイテムとしてもらえるこれがf:id:Manam:20200427190323j:image

わりとリアルガチでお仏飯だと思っていたのだが

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普通にポップコーンだった。

誰か同意して欲しい。